2012年3月25日日曜日

アフリカ


外交アジェンダ - 21世紀の米国の外交政策

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アフリカ

米国国務省 ジェンダイ・E・フレーザー


ジェンダイ・E・フレーザー国務省アフリカ局国務次官補

  米国の対アフリカ政策に関する私のビジョンと優先事項は、世界をより安全に、より良くするというブッシュ大統領の指令、および諸外国の国民が自らの生活を改善し、自らの国家を築き、自らの将来を変革することを援助するために米国の外交力を使うという国務長官の指導に、直接由来するものである。これをアフリカの場合に当てはめると、主な優先事項は、アフリカ大陸全体への政治的自由の拡大を支持すること、経済的な機会と成長を拡大すること、HIV・エイズの流行という独自の難題に取り組むこと、そして紛争を停止しテロと戦うためのアフリカ主導の活動を強化することである。アフリカ諸国が民主主義国の国際社会の仲間入りをし、� ��れわれの共通の価値観に基づく国際制度を築き、世界の平和と繁栄に貢献するとき、われわれは成功を収めることができる。私は、学者時代に、また駐南アフリカ共和国大使を含む官職を通じて、アフリカの人々が直面する課題について多くを学び、研究した。そして今、国務次官補として、私は、アフリカ諸国がそうした課題に取り組む作業に協力すると同時に、私の母国に奉仕する機会を与えられたことに感謝している。

  25年間にわたって米国の対アフリカ政策を研究し、またそれに関わってきた体験から、私は、アフリカ大陸の前進と今後の可能性を統合するために、現在ほど適切な時期はこれまでになかった、と断言することができる。アフリカでは民主主義が広がっており、過去4年間に50以上の民主的選挙が行われている。アフリカ大陸では、ここ8年間で最高の経済拡張が続いており、20カ国が過去5年間連続で経済成長を記録している。この6年間に、6つの主な戦争が終結した。それは、アンゴラ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、リベリア、シエラレオネにおける戦争、そしてスーダンの22年間に及ぶ南北内戦である。アフリカの人々は、アフリカ連合や、各国間の友好関係の強化と統治の改善に貢献する「アフリカ開発のための新しいパー� ��ナーシップ(NEPAD) 」プログラムのような制度を通じて、自らの集合的な運命を支配しようとしている。国務省アフリカ局は、何世代にもわたって前進を維持することのできる制度の構築に関与し貢献することによって、こうした歴史的な転換を活用している。われわれは、アフリカとの「パートナーシップの時代」に入ろうとしているのである。

アフリカにおける政治的自由の拡大の支持

米国のローラ・ブッシュ大統領夫人(中央)とガーナのジョン・アジェクム大統領。ブッシュ夫人が「アフリカ・イニシアティブ・テキストブック・プログラム」を発足させた、アクラ教員訓練センターで。 ©AP Images


どのように多くの人々がエイズを克服する

  米国は引き続き、自由な報道機関、独立した司法制度、健全な財政システム、そして複数の活発な政党という、民主主義に不可欠な各種制度を支持していく。今後2年間は、選挙のインフラの強化が優先事項となる。それは、多くのアフリカ諸国では、選挙が紛争の発火点となっているからである。選挙の敗者が選挙結果に異議を唱える例も多く、政策は二の次で、票の盗難や街頭での抗議デモが行われる。われわれは、次の2つの活動に努力を集中する。(1)独立した全国選挙委員会が、自由、公正、かつ透明で、国民の信頼を生むような選挙を実施する能力を築く。(2)すべての候補者および政党が、支持を得るために、サー� ��スの実行と政策討議に重点を置くことによって、「票に値する」存在となることを奨励する。また今後も、市民社会団体と協力し、報道の自由を支持することは、人権と基本的な自由を促進し保護する私の活動の中核となる。

  今後の見通しは明るい。過去10年間に、アフリカの48カ国のうち3分の2以上が自由選挙を実施している。また、1990年には、フリーダム・ハウス(世界中で自由な民主主義を促進する非営利の超党派組織)が、サハラ以南のアフリカ諸国のうち4カ国を自由な国家として分類し、20カ国を部分的に自由な国家、そして24カ国を自由でない国家としていた。しかし2006年には、この数字が入れ替わり、34カ国が自由または部分的に自由な国家とされ、自由ではない国に分類されたのはわずか14カ国であった。このようにアフリカ大陸では、いまや48カ国中34カ国が自由への道を歩んでおり、希望の光がさしている。

  とはいえ、われわれは、成功を当然のことと考えることはできない。重要なカギのひとつは、NEPAD 事務局や相互監視機構(Peer Review Mechanism)のようなアフリカの多国籍機関に、自由の価値観を深く根付かせることである。アフリカ諸国をつなぐ諸機関が、公正と民主主義を支持すれば、アフリカの指導者たちの間でそうした原則を強化し、優れた統治に対する積極的な姿勢を推進することができる。

  民主主義国の構築や社会の変革は、政治のみによって達成されるものではない。効率的、公正、そして透明な財政制度が、好ましい変革への重要なサポートを提供する。何十億ドルもの規模を持つブッシュ大統領の援助プログラム「ミレニアム・チャレンジ・アカウント(MCA)」の豊富な資源を活用することによって、改革と優れた統治と説明責任の奨励に貢献することができる。

  米国国際開発庁(USAID)は、この一家のようなタンザニアの農民たちが、新しい作物であるパプリカの市場について学び、その栽培に成功できるよう支援している。

経済機会と成長の拡大

写真:USAID/ William Creighton, DAI


なぜチタンは人体に使用されます

  アフリカは、豊かな大陸であるが、貧窮状態にある。今後2年間にわたり、われわれは、アフリカの起業家に対する支援に大きく力を入れていく予定である。こうした起業家たちの才能と意欲は、アフリカ大陸がその住民のために繁栄を生み出す多大な潜在力を引き出す可能性を秘めている、とわれわれは信じている。このようなビジネスリーダーたちは、製品を販売し、大きく必要とされている雇用を創出するために、各地の市場へのアクセスを必要とする。市場アクセスへの主な手段を提供するのが、2000年に米国で法制化されたアフリカ成長・機会法(AGOA)である。この法律は、サハラ以南の国家で市場ベースの改革を導入した国からの特定の 製品に対して、米国へ無関税で輸入を許可する貿易特恵を規定したものである。

  またわれわれは、中小企業を支援するための国内改革を奨励しており、われわれの国際経済制度の公平化を図り、成長の触媒として開発援助を利用している。こうした援助の重点のひとつは、女性や少女たちの権利拡大である。ブッシュ大統領のアフリカ教育イニシアティブは、すでに15カ国で22万人を超える教員を訓練し、180万冊以上の教科書を配布し、38カ国の少女たちにおよそ8万5000件の奨学金を提供している。

  環境を保護し、水、野生生物、漁場、森林、その他の天然資源の適切な管理を指導することは、将来の世代のためにアフリカの資源を守り活用する上で不可欠である。中央アフリカでは、コンゴ川流域森林パートナーシップ計画によって、米国、アフリカの数カ国、およびいくつかの非政府組織(NGO)が提携し、経済機会の促進にも役立つ保全計画を形成・導入している。われわれは、この計画の成功をさらに拡大させようとしている。

  今年度の米国の対アフリカ支援予算は41億ドルで、2001年の7億ドルに比べ大きく増加している。この6倍の増加は、ブッシュ政権が、資金の使途に関する援助の受益者の説明責任の拡大と引き換えに、援助を増額する意志があることを表している。またブッシュ大統領は、貧困と闘い、経済開発を奨励するために、国際経済組織を改革することを目指している。

  国際通商においても国際債務救済においても、米国の政策は、アフリカにおける友好国のために、より大きな機会を創出することである。農業輸出補助金は、アフリカの農産物が国際市場で競争することをより困難にする。われわれは、こうした貿易歪曲的な補助金をなくすことによって、条件を公平化することを目指す。2001年にブッシュ大統領は、不均衡にアフリカ諸国に影響を及ぼしている、息詰まるような債務の悪循環を断ち切るために、世界銀行が融資ではなく助成金という形で最貧国に全く新しい援助を提供するよう促した。G8におけるブッシュ大統領のイニシアティブは、多大な負債を抱える貧困国の債務を100%相殺することに貢献した。これによって、およそ300億ドルの資金が解放され、アフリカの人々の衛生と教� �のために投資できるようになった。

HIV・エイズおよびマラリアとの闘い

  ブッシュ大統領によって、駐南アフリカ米国大使に選ばれたことは、私にとって名誉なことであった。しかし、この任務は、私をHIV・エイズ流行による荒廃の真っただ中におき、HIV・エイズに侵され、死の床にある男女そして子どもたちに直面させた。


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  私は、25年以上にわたって、米国の対アフリカ政策を研究し、関わってきた体験から、悲しいことに、HIV・エイズの流行がもたらす荒廃を熟知している。ブッシュ大統領の大統領エイズ救済緊急計画(PEPFAR)は、この致命的な疾病との闘いに勝つ最初のチャンスをもたらすものである。2000年には、世界における米国のHIV・エイズ対策援助額はおよそ3億ドルであったが、現在は5年間で150億ドルに達しており、米国による支援は、他のすべての支援国の合計を上回る。ブッシュ大統領のリーダーシップにより、米国は、アフリカの人々を対象とする大規模な治療活動を主導し、わずか2年間で、サハラ以南のアフリカ諸国の医療インフラが治療することのできる患者数を5万人から55万人以上に増やすことに貢献して、人々の生� �を変えただけでなく、医療制度をも変革させた。

  PEPFARが重点を置いている対象国15カ国のうち12カ国がアフリカにあり、この大胆な計画の最大の受益者となっている。われわれの目標は、新たな感染700万件を防止し、HIVの感染者200万人を治療し、HIV・エイズに感染している、または侵されている患者1000万人にケアを提供することである。

  ブッシュ大統領が最近発表したマラリア対策イニシアティブも、特にアフリカの子どもたちに大きな被害を与えている致死的な疾病と闘うために、国際的な努力を結集するものである。マラリアは予防可能であり治療可能な病気であるにもかかわらず、毎年120万人近い人々がマラリアで死亡している。マラリアによる経済的損失は年間約120億ドルと推定され、この病気が風土病となっている国々では、国内総生産の損失が年間1.3%にも上り、経済に壊滅的な打撃を与えている。現在、ブッシュ大統領のイニシアティブは、アフリカの7カ国でこの致命的な疾病を根絶することを目標としている。われわれは、マラリアの予防と治療に対する援助資金を、5年間で12億ドルに増額することによって、アフリカの15カ国の国民1億7500万人を� ��助することを目指している。支援国、アフリカ諸国の政府、民間企業、財団、ボランティア組織などが協力することによって、われわれは、対象各国でマラリアによる死者数を50%減らすという目標を達成することができる。

チャドの学校で少女たちと語り合う、「大使の女子奨学金制度(AGSP)」のチャド担当マネージャー、アレグザンドラ・ジーカスさん(中央)。米国国際開発庁(USAID)の資金によるAGSPは、サハラ以南のアフリカ諸国の女子生徒たちに、55万件の奨学金を提供する。©AP Images

戦争の停止とテロ・暴力との闘い


  われわれは、アフリカ諸国間の紛争を調停し、アフリカが平和支援活動を実行しテロと闘う能力を強化する努力を支持する。私が国家安全保障会議のアフリカ担当シニア・ディレクターを務めていた2001年以降、アフリカの主な調停者たちとの協働、およびアフリカ連合、国連、そして西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)のような準地域的組織との多国的な協力への米政権のアプローチは成功を収めている。主としてこうしたパートナーシップの結果として、リベリアではエレン・ジョンソン-サーリーフ氏が女性としてアフリカで初めて大統領に選出された。彼女の前任者であるチャールズ・テイラー元リベリア大統領は、アフリカ大陸における最悪な独裁者の1人であり、シエラレオネ特別法廷で戦争犯罪の裁きを受けるために現在ハ� �グに収容されている。私は、リベリアの14年間にわたる戦争の終結に米国の外交官と海兵隊が果たした役割を誇りに思っている。

  われわれは、世界平和活動イニシアティブ(GPOI)およびアフリカ緊急作戦訓練支援(ACOTA)の各プログラムを通じて、アフリカの平和維持隊員4万人を訓練する。5年間で6億ドルとなるわれわれの投資は、世界的な利益をもたらすものである。アフリカの人々は、世界各地の国連平和維持軍のうち30%を供給することによって、国際的な平和と安全保障の負担を分担している。エチオピア、ガーナ、ナイジェリア、および南アフリカの4カ国は、国連平和維持軍への兵士供給国の上位10カ国に入っている。また、「女性のための公正と権利拡大イニシアティブ」というプログラムは、虐待や性的暴力の被害者が自らの尊厳を取り戻すことを支援する。

  私は、テロリストに避難所や活動の基地や人員補充の機会を与えないようにするための手段として、東アフリカ・テロ対策イニシアティブやトランスサハラ・テロ対策イニシアティブを信頼している。われわれは、過激なイデオロギーを助長する絶望感に対抗すべく手を差し伸べなければならない。米国が、テロおよび大量破壊兵器の拡散の多大な脅威に直面するに際して、アフリカ諸国は積極的なパートナーであり、手本となる。アフリカでは、極貧が過激なイデオロギーの温床となっていない。南アフリカが核兵器を拒否したことは、大量破壊兵器と核への野心を放棄する国家が世界における地位と影響力を強化できることを証明した。

  私は、アフリカ諸国における米国の大使や大使館と協力し、サハラ以南のアフリカ48カ国を対象とする米国の対アフリカ政策の優先事項を追求していく。米国が前進する際には、アフリカの強力な民主主義・経済改革国であるベニン、ボツワナ、ガーナ、マリ、モザンビーク、セネガル、タンザニアなどの諸国、そして最も影響力を持つ大国ナイジェリアおよび南アフリカとの関係が極めて重要となる。われわれは、危機の後を追うのではなく、成功に投資をする。


  米国とアフリカのパートナーシップの強みは、人と人とのつながりを基盤としている。米国とアフリカは固有のつながりを持ち、共通の文化遺産を受け継いでいる。われわれは、市民外交と若者へのアウトリーチを通じて、引き続きこのつながりを強化し、米国の福利とアフリカの前進との関係を説明している。また、外交政策に関する従来の外交官同士の交流を超えて、米国民とアフリカの人々との間の理解を深め、共通の目標を築くような文化外交を取り入れようとしている。われわれは、「アフリカアライブ」計画を通じて、アンジェリーク・キジョー、ボノ、サリフ・ケイタ、そしてNBAバスケットボールのスター、ディケンベ・ムトンボ各氏などの著名人と協力している。また、「パートナーシップの時代」の開始を支援 するため、アカデミー賞を受賞した南アフリカの映画「Tsotsi」を上映した。

  私は、米国の対アフリカ政策が成功することを確信している。米国とアフリカの優秀な男女が、その共通の成功を目指して毎日働いている。革新的な各種のイニシアティブ、そして歴史的な資源に支えられて、われわれは共に、アフリカの自由と平和と繁栄を推進していく。


詳しくは下記を参照:


*上記の日本語文書は参考のための仮翻訳で、正文は英文です。

[在日米国大使館のサイトへ掲載した日付:7/23/2007]



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